同門会長挨拶
同門会 会長 明海 国賢
このたび平成30年度同門会総会において屋敷建夫先生の後を受けて広島大学耳鼻咽喉科同門会第5代会長に選出されました。会長に選出されて1年余が経過しましたが、改めて会長就任のご挨拶を申し上げます。
黎明期の同門会を30数年の長きにわたって指導・発展させてくださった故田村浩通初代会長、会員相互の扶助と親睦、同門会と教室の表裏一体の関係の維持に心を砕かれた中田将風2代会長、会員数の増加、構成年齢など多様化する同門会の在り様を検討し、同門会会則の改定を行われた故竹林脩文3代会長、平成12年~平成30年の18年の長きにわたって会長を務められ、夜陣教授、平川教授を支えて2度の日耳鼻総会を成功裏に導かれた屋敷建夫4代会長と歴代の会長のご功績を考えると、その責任の重さに身の引き締まる思いです。
もとより同門会の役割は教室を物心両面で支え、その発展に寄与することです。教室の評価は当然のことから論文や学会発表、外部資金導入などに基づいてなされるわけで、これまでも学会の主催に対する援助をはじめとして、学会出張援助、40歳以下の同門会員を筆頭著者とする優秀な論文に対するフェニックス賞や海外留学、国際学会での講演、短期研修(mini fellowship)への参加者、新規入局者などに対する大野皓三奨学基金などの援助を行って参りましたが、昨今の論文掲載料の高騰なども踏まえて論文掲載援助なども行いたいと考えております。教室と密接に連携し、教室のニーズをよく検討して可及的に協力していきたいと考えます。他方、フェニックス賞にしても大野皓三奨学基金にしても基金原資は徐々に減じてくるわけで、しかも一般会計は昨年は50万円を超える赤字となり、基金などの安定的な協力を如何にして継続するか検討すべき時期にきています。もう一つの同門会の役割は会員相互の交流を深め、親睦を計ることです。同門の本質を言い表した文章が、3代会長の故竹林脩文先生のお別れのご挨拶の「御縁を結ばせて頂いた全ての皆さまへ」(注1)の中に見られます。「・・・その後、医師という天職を付与された私は、何も考える暇もなく職責に没頭していました。医学の厳しさと喜びを教えてくださった素晴らしき先達、人の輪の大切さを教えてくださった同僚達、また医学診療の喜びをともに学び、培ってきた大勢の部下たちの日々の成長を見るのは無上の喜びでした。さらに飛躍し、人の為、社会の為に貢献されんことを祈ってやみません。・・・(中略)・・・全ての機能が衰えるまえに、この世で結縁(注2)を頂いた方々へ感謝とお別れの言葉をしたためさせて頂きました。本当に有難う御座いました。 合掌 西暦二千七年七月 竹林脩文」
多様性のある同門会の発展に向け、女性幹事にも参加していただき、活躍していただきます。多くの先生方が参加交流できるような企画を検討して参ります。まずは中断を繰り返している同門会ゴルフコンを再開します。助勤援助は援助をお受けになった先生方から大変喜ばれています。会員の皆さんのご意見も伺いながら教室の協力を得て継続して行えるように準備していきたいと考えます。
時を同じくして平成30年、同門の竹野幸夫先生が第6代教授に就任されました。同門会としてしっかり支えて参りたいと考えます。なお、竹野教授は早速、2022年6月22~24日に開催される第84回耳鼻咽喉科臨床学会を主催されることになりました。学会の成功に向けてあらゆる面から協力させていただきます。
多くの先生方のご協力を得て、会員と教室のための同門会となるよう努めて参ります。引き続きのご指導ご協力をお願いいたします。
(注1) 同門会誌 第21号 p12~p13
(注2)結縁(けちえん)
①仏法と縁を結ぶこと。未来で成仏する機縁を作ること
②大事なもの、貴重な文物に接する機会を得ること
③事件に関係すること。連座すること
④親戚になること
(文責 明海 国賢)